グローバルコミュニケーション学部は危険だと思っているって話
こんにちは、めぐみえるです。
ついこの間まで咲いている桜を見つつ春だなあとか思っていましたが、気がついたら梅雨の時に突入しようとしていますね。
さて前回に引き続き今日も進路、主に大学に関することについて書いていきます。
前回の記事まだ読んでない人はこちらも合わせてお読みください。
これを読んでる人はおそらくどの大学のどの学部に入ろうか考えていたり、もしくは現役の大学生であったり、そんな状況の人が多いのではないかと思っています。
大学に入る際に、どの学部や学科を受験するのか。これは、まず最初に決めなければいけない項目のひとつだと思います。みなさんは大学の学部や専攻ってどうやって決めますか?(または決めましたか?)
ちなみに筆者は2年に専攻を決めて卒業するタイプの大学だったので入学前に学部を絞ることはありませんでした。
最近になってやたらと「グローバル」とか「コミュニケーション」とかまたはその両方を組み合わせた名前の学部・学科を売り出してる大学多いなと感じています。筆者の大学にも上記のような学部を最近新設していました。
そこに入ってきた後輩たちを見ていて思うことや感じることがあったので詳しく書いていこうと思います。
グローバルコミュニケーション系の学部や学科は危険だと思う
グローバルコミュニケーション系の学部にむやみに入るのは、割と危険な行為なのではないかと個人的に思っています。
大学に新設でできた学部の後輩たちはみんな口を揃えて「英語が勉強したい」とか「海外にいきたい」「留学したい」と言っていました。
事実、そういったグローバルコミュニケーション系の学部って「日本語以外の言語」で授業を行ったり、学部の学生を全員一定期間の留学に行かせたり、そういうことをアピールポイントに盛り込んでいることが多いです。
筆者が出会った後輩たちもそこに魅力を感じて入学を決めたと言っていました。筆者もそこに対しては(後輩たちが入学を決めた理由と大学のカリキュラムの辻褄があっているので)特に何も言うことはありません。
「将来は国際的に活躍したい」というのも英語が好きで勉強している学生がよく言うセリフではないでしょうか。気持ちはよくわかります。筆者もこう思っていた時期がありました。
「将来は国際的に活躍したい」はここでは「海外に出て活躍する/世界を相手に活躍する」と定義して話を進めていきます。
もし本気で「将来は国際的に活躍したい」と思っているのならグローバルコミュニケーション系の学部には入らない方がいいのではないかと考えています。
グローバルコミュニケーション系の学部で4年間を特定の言語を学んで終わるのは、むしろ「将来は国際的に活躍したい」という夢から遠ざかってしまうと思います。
理由1. 専門性がない
せっかく4年間も大学で集中的に勉強する時間があるのに、何の専門性を持たずに言語のみを学んで卒業するのは非常にもったいないと思います。(あくまで個人の見解です)
言語はコミュニケーション上のツールでしかありません。ここを勘違いして、英語を勉強すれば将来は国際的に仕事ができると思ってしまうのは良くないです。
もちろん学問としてより深く言語を学ぶ「言語学」という分野があることは分かっています。そういう分野を専門に学ぶのもいいことだと思います。
ここでは「将来は国際的に活躍する」という観点で話をしているので「言語学」での言語ではなく、あくまで人とコミュニケーションをとるための「言語」での英語だけを大学で学ぶのはよくないと言っているのです。
もし本気で「将来は国際的に活躍する」と思っているのならなおさら専門性を身につけるべきです。そうすることで自身の市場価値が上がるからです。周囲から求められる、必要とされる人材になることができ、結果的に「国際的に活躍する」に繋がるのではないかと思います。
理由2. 英語の勉強や留学は他の学部でもできる
大学に入ったら留学したい人、いますよね。事実筆者も在学中に留学を経験しました。在学中に留学すること自体はとてもいい経験ですし、チャンスがあれば是非してほしいです。でも、留学のためにグローバルコミュニケーション系の学部に入る必要はありません。グローバルコミュニケーション系の学部じゃなくても留学できるからです。
だいたいどの大学でも学内に何らかの留学制度があると思います。そういう留学制度は、学部学科関係なく一定の基準を満たしていれば誰にでも応募資格があったりします。そうなってくると、例えば法学部、経営学部などグローバルコミュニケーション系の学部ではない学生が応募してくる可能性もあります。
もし大学在学中に留学したいと考えているなら、「留学できるから」という理由だけで学部を安易に決めるのではなく、留学と学部選択は分けたところで考えて下さい。他の学部の学生でも違う分野の授業を履修できる大学もありますし、もしそれができなかったとしても独学という道もあります。大学の制度で留学できなくても、他にも留学する方法はいくらでもあります。
理由3. 専門性があって英語のできる人には敵わない
専門性があって英語ができる人と英語だけできる人、どちらが有利だと思いますか?もちろん前者です。「国際的に活躍する」なら前者がより有利です。
在学中や留学中はそういうことを感じないかもしれません。(筆者も学生の時に深く考えたことありませんでした。)なぜなら学生のうちはみんな立場がほぼ同じだからです。でも卒業して社会に出ると違います。専門性×英語の人と英語だけの人の間には確実に差ができます。その専門性が需要があって人手不足だとなおさらです。(今でいうプログラミングとかですね。)
理由4. 海外に出てしまうと「英語ができる」は強みではなくなる
英語に限った話ではありませんが、何か特定の言語が話せることって、その国に行くと長所でも短所でもなく「当たり前」のことになります。私たちが日本で当然のように日本語を使用して人とやりとりしているのと同じことです。
天才的にペラペラな人を除いて「英語」が話せるほとんどの日本人は準ネイティブかそれ以下くらいのレベルではないでしょうか。そういうレベルの人が英語圏に行くと逆にデメリットになる可能性もあります。現地の人からすると「ネイティブレベル」が基準のレベルなので、そのレベルに達していないと、例えば、業務に支障をきたす可能性があるとかそういう話になってくるからです。(もちろん職種によって違います。)
「英語」が話せるからという理由でアメリカに行っても、「英語」を話すことは当たり前のことなので現地にいる人からしたら何でもないわけです。アメリカでは「英語」がコミュニケーションツールだからです。「そんなの当然でしょ?」とこれを読んで思っている人がいるのは分かっていますし、筆者自身も「こんな当たり前のことを改めてブログに書いていいのか」とさえ思っています。でも、実際に出会ったグローバルコミュニーケーション系学部の後輩たちでこれを分かっている人は意外と少なかったです。
補足として、大学などで「英語」をずっと学んできた人がだめと言っている訳ではないです。そういう人は日本国内または、英語を母語としない国や場所を拠点にしている限り、それが強みになります。例えば、人に英語を教えたり、翻訳や通訳を仕事にしたり、学問として極めたり。こういう場合においては、非常にアドバンテージになります。
大学の学部選びは慎重に
「国際的に活躍する」と本気で思っているのなら、何か自分にできそうな専門性をしっかり身につけながら、それと並行して大学4年間で言語の勉強をするのがベストです。
日本の就職活動において大学の学部や専攻は重要視されていません。文系学部出身でIT企業に就職するというのも最近よくある話だと思います。就職先と専攻がイコールでない結果、日本における大学の学部選びはそこまで重要視されていないような気がしています。(文系は特に)
しかし、海外では専攻と就職はイコールで直結しています。ほとんどの場合、大学や専門学校で学んだ分野の仕事につきます。在学中に専攻を変える学生も多いです。大人になって社会人を何年かやってからキャリアアップやキャリアチェンジで大学に入り直す人も珍しくありません。日本では就職に不利になるからと一般的ではありませんが、大学院進学も非常に一般的です。学士を取得しただけでは就職先がなかなか見つからない、なんてことも(少なくともヨーロッパでは)よくあります。
そこを踏まえて考えると、海外に出て「国際的に活躍したい」のなら、日本の慣習に流されて何となく学部を選ぶべきではないことが分かるかと思います。将来どういった方向性に進みたいのか、どんな分野に興味があるのか、など真剣に考えて慎重に選択する必要があります。
そうはいっても高校生で将来やりたいことが決まっている人ってそこまで多くないと思います。高校生だった筆者も実を言うと特定の「コレを勉強したい!」と言うものがありませんでした。 入学前に道を決められる人はそれでいいですが、筆者みたいなタイプは、入学してから専攻を決めるような大学に入るのも一つの手かなと思います。
高校生の段階で進路を決められる人もできない人も色々います。ここで大切なのは、将来海外に出たいなら「海外では専攻=仕事だから、大学で何を学ぶかが大事」だということを知っていることじゃないかと思っています。
では、今日はここまでです。
最後まで読んでくれた方、どうもありがとうございました!